規制緩和で外国人が多く見かけられるようになっていますが、ビジネス外国人がスーツを必要としてご来店されはじめました。
カタコトとジェスチャーでなんとかお伝えしていますが😅 結果インバウンドありがたいです。
アメリカや中国ではスーツ需要が高まっているようですが、日本ではスーツを着なくても良いムードが浸透してきています。
一度緩むともう戻れないものです。
昔聞いた話で、「経済が活気付いている国はスーツを着ている人が多い」と聞いていましたが、少し前まで多かったスーツ姿も減っていささか経済が不安視されます。
さて、そんな話はイタリアのナポリからお越しのCaccioppoli カチョッポリさんとの話の中にもありました。
「最近ではアメリカの注文が多く生産が間に合わないほどだ」「中国も多いですがここ最近注文が減りつつある」のだとか。
物価高とは言え両国景気がいいですからね。
通りで日本の市場は後回しにされると日本のバイヤーさんが嘆いていたわけです。
左から(株)アイウタンテ社長/Vincenzo Caccioppoli(ヴィンチェンツォ・カチョッポリ)代表/今回も目が開いていないTAGARU山本/右Cosimo Caccioppoli(コジモ・カチョッポリ)バイヤー兼デザイナー
カチョッポリ社は1920年にナポリで創業したイタリアを代表する老舗マーチャント(生地商社)
その取引先はイタリアやイギリスだけではなく、今や世界中のテーラーに生地を供給しに生地を卸していて、テーラー業界では抜群の知名度と信頼を誇っています。
カチョッポリ魅力は、カチョッポリはマーチャント(商社)なので自社で織らず、ミル(生地メーカー)に織ってもらっています。
ウールは主にロロピアーナが中心で、エルメネジルド・ゼニアやコロンボなどの織元が依頼を受けて織っていて、コットンではE.THOMASイートーマス。
シャツ生地はカルロリーバやプリント系はリバティーなどが選ばれています。
しかしどの生地も別々の生地メーカーが作っているとは思えないほど統一感のある雰囲気となっていて、特に他社では見られないアースカラーのベースの中にブルーの色合いがとっても素敵。チェック柄やビッグストライプなど来年度春夏にもこれらデザインを落とし込んだSS生地がセレクトされるそうです。
遊び心満載のカラバリと柄行きの中にも、その生地の方向性ははっきりと分かるカチョッポリらしさが貫かれていると言えます。
来春の生地提案をいただいたのですが、来年春夏のバンチブック(生地見本のラインナップ)の中には一部日本では派手目なトロピカルカラーが紛れていましたが、それはアメリカでの需要の高さを反映されていて、アメリカでもイギリスでも日本でも使われる全世界共通のコレクションだからだそう。
この時の会話の中にも「この柄面白そうだから入れといた。この色は美しくなかったから入れなかった。」などとブレないカチョッポリのスタンスとこだわり、そして自らが愉しむという遊び心を感じました。
私が「この生地のこの色の発色が綺麗とか、この色の組み合わせが素晴らしくて好き」とか言ったら「君は私が言いたいことを全て言ってくれた」なんて煽てるのも上手🤒デヘ
品質が良い上に、色使いといい、提案力といい、生地マーチャントの中でセンスはトップクラスにいらっしゃると思います。
継続生地見本もあわせてご覧ください↑
取扱店舗は百貨店やバーニーズニューヨークをはじめとするビームスやトゥモローランドといったセレクトショップなどの中でも、カチョッポリの生地をスーツやジャケットは高級ラインとして使われています。
日本のオーダー店では数十店舗の取り扱いとなるかと思いますが、それが置いてあるか否かで一流テーラーになれる気がする程の魅力がこのカチョッポリの生地にはあります。
ゼニアやロロピアーナと並ぶ高級服地であり、そこまで大量に出回っていない為、そのスーツやジャケットを身につけている方は多くはないのかもしれませんが、クローゼットの中に「Caccioppoli」そのネームが付いていれば胸を張って歩いてほしいです。
もしジャケットを脱ぐことがあり、それをスーツ業界の人が見たとしたら「この人はきっと質のわかる人だ」と思わすことのできるバッチを手にしたくらいの優越感を感じられることでしょう。きっと😆
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