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スーツの価格改定


シャツに続いてスーツ価格も値上がりです。 スーツのご注文が多く受けられていますので、スーツは着なくなったと聞かれる一方でまだまだ需要は高いようです。 タガルはもう一型本格ナポリ仕立てのスーツを追加して、よりテーラードに特化した分野にステップアップしていこうと考えています。 もちろんスーツ価格に追加料金となりますが本格仕立てを求める方にお勧めです。後日ご紹介しますね。


 

さて先日のシャツ価格改定に続きましてスーツの価格改定をお伝えします。 タガルもこの秋冬物から生地・工賃・付属品・送料など値上げを聞かされていますので当然ながら値上げをせざるを得なくなってきました。 値上げはシャツの要因と大きく変わりませんが、綿花に比べてウールの取引価格の方が高いのもありますので、生地のメーターが数百円アップのものから数千円も上がるものまで様々です。 国産生地、中国産生地は数百円に留められたとしても、ヨーロッパの輸入生地ではその金額の差は大幅に違い、素材や為替の影響がこれだけ変わる理由もそこまで詳しくはありませんが、生地1mにつき数千円高くなるなんてことは大きな問題です。 原油価格高騰や円安の影響も大きく、輸入への影響は今後もしばらく続くとのことで、生地は1.1倍もしくは1.2倍の値上げの傾向にあるとのこと。 アパレル全体で見ると安売り競争で勢力を拡大してきたファストファッションも大幅な値上げを発表し2〜3割アップの商品まであるとか。 スーツ業界も値上げの話は当然の如く聞かされます。




同じ生地でもスーツの販売価格が違うものがありますが、これには3つの理由があります。 1・商社・生地屋さんからの卸価格 生地屋A社は強気でも、生地屋B社は少しでも数を売りたいとか極力抑えたいと良心的に考えると生地の価格にも差が出ます。 例えば生地が@1,000円高くなった場合、通常着分3,2mの場合は3,200円アップ。 我々も当然これに利益を上乗せますから仮に倍額なら6,400円にはなるのかと思います。 さらに工賃と付属品も値上がりしていれば更に追加となってしまうので、お客さまだけでなく我々にとってもハードルの高さにつながる値上げは望んでいないことです。 2・正規輸入品と並行輸入品 海外から仕入れている正規輸入品(海外の生地メーカーから直接買い付けるルート)の生地は高品質な分高額です。 一方、並行輸入品(中国などから既製品用が主)の違いがあり、当然並行輸入生地の方が中間マージンを取られない分安いのですが、その年度のバンチブック内から漏れたものであったり、生地の耳にネームが入っていなかったり、織りネームに色違いのものがついたり、本当にそのブランド生地か確証が持てないし保証もできません…。ただその分とても安価です。 ん〜これを話すと長くなりそうなんで割愛させていただきます。 3・販売店の企業努力 生地代に工賃を乗せるのですがどれだけ利益を取るのかは会社のスタンスや計算方法によって違うため同じ生地で同じ価格の生地でも販売価格が大きく変わってきます。 それは工賃が大きく関わっていて海外で1万円で作っている会社もあれば、ハンドメイドで10万円で作っている会社もあるため。 もう一つ踏み込んだ内容はお店の家賃や維持費などで、同じ生地で同じ作りで同じ工賃としても銀座の一等地と都心から離れた場所では家賃も違います。家賃が高いのは人が集まりやすい立地だからですがそれには内装にも相応にこだわらないといけませんから維持費も人件費もかかる分、お客様の質も高いというもの。それらの理由から当然価格も上げる必要があります。


価格の値上げをしない会社も今の所はあるようですが、ほとんどの会社は値上げされるようです。 昨年また一つの工場を失いそこで働く方は最低賃金であった問題も、生地とはかけ離れたところですが関連しあっているのですから工賃と生地とのバランスは同時に考える必要はあるのかと思います。 価格を値上げを抑えるということは難しくなっており、スーツの価格は安価なもので少なくとも1,000〜アップし、 ロロピアーナなど高額なものは数万円アップのものも…😵 生地と工賃と付属品と輸送費といずれは家賃もなのかな? これらが上がるのに変えずにやるなんてタガルは無理です。薄利多売さんと価格競争してるんじゃないので品質向上だって挑戦していきたいじゃないですか。


 

まとめ (になっていないかもだけど笑) どの業界もどの地域でも値上げの嵐です。 しかし価格高騰を嘆いていても仕方ありません。 お店側は質を落とさず肩を落とさず前を見て進み 買う方は自分に合ったお店と人と品質をしっかり見極め、値上げされた分は品質で回収すれば良いだけのこと。 魚屋で弱った魚が高値で売られていても、その中で活きのいい魚を買い取れば良いという例え。

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